実は簡単!漆器のお手入れ
漆器は扱いがむつかしいと思われがちですが、実はとても簡単です。
やさしく洗い、柔らかい布巾でしっかり水気を拭き取り、日陰で保管。
たったこれだけです。
そしてもっとも大切なのは、毎日使うこと。
使い続けることで、漆特有の艶がでて味わい深さを増します。
使い始めの注意事項
- 新しい漆器をお使いになる前に、軽くお湯で洗ってお使いください。お湯は普段の食器洗いの温度で大丈夫です。
- 購入したばかりの漆器の匂いが気になる場合は、お湯で洗ってしっかり水気を拭き取り、通気性の良い日陰に保管し、1週間程度時間を置いてお使いください。匂いが落ち着く場合がございます。
※漆器は、仕上がってからしばらく「寝かす時間」をとっています。
「寝かす時間」とは、塗り上がってから1~2週間、風の当たらない日陰で保管する養生期間のことです。
塗り上がったばかりの漆器は、すぐに使うと傷付きやすかったり、匂いが気になったりします。そのため、使う前に養生する時間を取っています。それでも、使いはじめは漆の匂いがする場合があります。
※漆の匂いは新しい漆器特有のことですので、問題なくお使いいただけます。お使いいただく中で段々と漆の匂いは薄れていきます。
普段のお手入れ
洗い方
手洗いが基本です。
普段の食器用洗剤とスポンジをお使いいただけます。
ただし、研磨剤が入ったものや塩素系の洗剤は、漆が剥がれたり、漆器が破損する場合がありますので使用しないでください。
スポンジも柔らかいものでOK。メラミンスポンジなどは漆の剥がれの原因になるので、使わないでくださいね。
※漆器は柔らかいため、表面に硬いものを落としたり、ぶつけたりすると傷や破損につながります。ガラスや陶器、フォークやフライパン、お鍋などと分けて洗うことをおすすめします。
※漆器の表面に、ご飯粒などが乾いて固まって取れなくなった場合、数分程度水につけて置いた後、柔らかいスポンジ等で軽く擦ってください。簡単に取れることがあります。
しまい方
柔らかい布巾で水気をしっかり拭き取ったら、日陰の風通しの良い場所で保管しましょう。
直射日光の当たらない食器棚などでOKです。
漆器は直射日光が苦手なので日陰で保管を覚えておきましょう。
※漆器は長くお使いいただくと、漆が少しづつ剥がれてくることがありますが、塗り直ししながらお使いいただけます。修理やメンテナンスのお問合せはこちらからお願いします。
注意・禁止事項
- 電子レンジ、食洗機の使用はおやめください。高温の熱を加えることで、亀裂や変形、破損につながります。
- 冷蔵庫へ入れることもおやめください。漆器の破損につながります。
- 研磨剤が入った洗剤や塩素系洗剤は、漆が剥がれたり漆器が破損する場合がありますので使用しないでください。
- メラミンスポンジに入っている研磨剤は、漆の剥がれや漆器の破損に繋がるため使用しないでください。
- 漆は直射日光が苦手です。長時間日光の差し込む場所に置いておくと塗膜が劣化し破損につながります。日陰に保存するようお願いします。
※漆器の破損に気付いた場合、すぐに使用を中止し、修理・メンテナンスフォームよりご相談ください。
辻椀木地木工芸の漆器は、天然木と天然木を使用し、一点一点すべて手作業で制作しているため個体差があります。
拭き漆の器は、ひとつひとつ木目が異なりまったく違った風合いになります。木目の違いをお楽しみください。
また、漆は同じ色でも塗った季節で色味が変わることがあります。
漆器の塗り直しや修理など、その他使っていただく中で気付いたことがありましたら、お気軽に辻椀木地木工芸までお問い合わせください。