大雨による被害状況について

9月21日に発生しました、能登半島の大雨による水害に尽きまして、
幸い、辻椀木地木工芸の工場と自宅は被害はありませんでした。
ご心配いただき、ご連絡いただきました皆さまありがとうございました。

辻椀木地木工芸は被害はありませんでしたが、輪島市や珠洲市、能登町では甚大な被害が出ています。
ライフラインや物流等にも多くの影響が出ているようです。
能登半島地震以降、徐々に復旧していましたスーパーやコンビニ、飲食店にも被害があり、
現在は被害が少なかったお店がいち早く開けてくださり生活が成り立っています。

また、今回は元旦に発生した能登半島地震とは違い、水害ですので、浸水した住宅や建物の復旧が困難を極めそうです。
すでに災害ボランティアさんが入ってくださったり、民間のボランティア団体が物資を届ける活動をしてくださっています。
皆さまの活動に心より御礼申し上げます。

無事だった私たちも小さなことや、身近な人たちからでも助けられるようがんばります。

9/20 3回目の災害ボランティアに来ていただきました。

水害が発生した前日、辻椀木地木工芸は3度目の災害ボランティアさんに来ていただきました。
今回来てくださったのは「株式会社 荏原製作所」の皆さんです。
後で調べたらとっても大きな会社でびっくりしたんですが、災害ボランティアなど、社会貢献を推進する課があるそうです。

前回の災害ボランティアさん(ライオンズクラブ国際協会の皆さん)に片付けていただき、かなりスッキリした工場の2階ですが、
今回はもう少し進んで、剥き出しで散乱した古いカンナや工具、釘が打ち付けられた壁、古い椀木地用の金属型など、震災前から整理できずにいて、震災により散乱し散らばって手がつけられずにいた部分を整理してもらいました。
先先代から受け継いだものの、漆業界全体の縮小で従業員がいなくなり、夫一人で辻椀木地木工芸を運営してきた中、何年もこの状態を放置していたのも事実。
ここ2〜3年、夫婦で少しづつ工場を片付けはじめていましたが、そこへ震災がきて‥工場は手がつけられない状態となっていました。

なので、まずここまで床が見えているのはすごいことです。

前回の災害ボランティアに来てくださったライオンズクラブ国際協会の皆さんや、5月に来てくださった災害ボランティアの皆さんの活動のおかげでここまで来ることができました。

災害ボランティアさんに工場を片付けてもらいました(2回目)

災害ボランティアさんに工場を片付けてもらいました。

今回はこの状態から、地震で歪んでしまった棚を建物の外に出してもらったり、
散乱している「カンナ」や「工具」を1箇所にまとめてもらったり、
道具を吊るすために壁に打ち付けられた「釘」を外してもらったり、
壁にかかった金属の「型」と呼ばれる道具を外してもらったり、
金属と木を分別してもらったりと、
すごく細かくて手間のかかる作業をやっていただきました。

不要な粗大ごみを出すと、同時に紙屑なども出てきてさまざまな分別が必要になります。
木を削る仕事なのでどうしても粉塵が溜まるのですが、数十年分積もってとても不衛生です。
そんな中みなさん一生懸命作業してくれました。

そして今回も使える材料は3階へと移動してもらいました。

一番大変だったのはこちらの「集塵機」を屋外に出す作業です。
先代が亡くなって以降使用していませんでしたが、震災で倒れてしまい、壊れていることがわかりました。
こちらを工場の外に出すにはどうしても人手が必要でした。

とにかくすごく重いので、3人がかりです。

やっとのことで工場の外に!

荏原製作所の皆さんのおかげで、ずっと放置するしかなかった粉塵器を外に出すことができました。
ありがとうございました。

作業に来ていただいたのはほんの数時間でしたが、テキパキと作業していただいたおかげで、工場内はさらにスッキリし、危ない工具や釘、金属片なども大幅に減り、以前の手の付け所のない状態から脱したと思います。

荏原製作所の皆さんには本当に力をいただきました。
本当に素敵な社員さんがいる会社だなと感じました。
本当にありがとうございました。

今回、大雨の災害前日にたまたまボランティアに入っていただき、これまでのボランティアのみなさんのおかげで空いた工場2階に大事な材料を事前に避難することもできました。
荏原製作所のみなさんに出していただいた災害ゴミは出した直後に回収してもらうことができました。
回収されずに残っていたら、道路状況などを考えるときっと危険だったなと思います。

辻椀木地木工芸にとって幸運が重なったんだと思います。

自分達がたくさんの方の協力や善意によって助けられた分、
できることをこれからもやっていこうと思います。

辻椀木地木工芸
辻 正尭・真澄